価値観の歪み(フィルターバブル。エコーチェンバー)
スマホが普及し、いつでもどこでも簡単にネットに繋がり、わからないことがあれば、すぐにネットで調べることができる。調べ方はそれぞれだろうが、共通するのは「検索」ではないか。
問題は、「検索」した結果の表示のうち内容を確認するのは「これが知りたい結果に近そうだ」というものだけ、という点。見たいものしか見ない、という状態になっていること。これにより、考え方や視野が狭まっている可能性がある。
フィルターバブル
GoogleにしてもYahooにしてもアカウントを作ってログイン状態で利用することによって、プラットフォームはユーザーごとにアルゴリズムを形成し、よりユーザーにとって便利なように検索結果の優先順位を調整する(見たいものを表示し、見たくないものは表示しない)。これによって見たいものがすぐに表示されるわけだが、逆に言えば、視野が狭められている。
自分の価値観のバブル(泡)の中に孤立してしまう状態が生じている。このことを「フィルターバブル」と呼んでいる。
ログアウトして検索してみる。別の検索エンジンを使ってみる。ネット検索以外の方法で調べる。といったことも必要。
エコーチェンバー
SNSの普及とともに、自分の価値観と近しい人達の意見を多く見聞きし、交流も生まれたことで、自分の価値観がより強化されてしまう。その反動で、自分の価値観以外を否定的に捉えてしまう傾向が強くなる。多様な価値観に触れることが減ってしまい、価値観のバランスを保ちにくくなる。
閉じられた部屋の中で、自分の声(同じ意見)が反響する現象に見立てて「エコーチェンバー」と呼ばれる。
いつも同じ人と話していないか(コミュニケーションしていないか)? 別の業界やコミュニティ、世代の人と話してみる。意見を聞いてみる。海外のニュースの報じ方を調べてみる。といったことを試してみてはどうだろう。
無意識のうちに「価値観のワナ」に落ちないために
インターネットやSNSは便利なものだが、その危険性も十分に知っておく必要がある。たちが悪いことにこういった偏った価値観のワナは、気付かないうちにハマっている可能性があることだ。「自分は正しくて、あいつ等は間違っている」という気持ちがある時は要注意だ。もしかしたら「自分が間違っているかもしれない」「偏った意見に陥っているかもしれない」という側面は常にどこかに持っておこう。
参考)総務省:情報通信白書(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/index.html)
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